人売りIT派遣企業(SES・客先常駐)はブラック企業ではない

人売りIT派遣企業(SES・客先常駐)はブラック企業ではない

今日、ネットサーフィンしてたらこの記事を見つけました。幾らなんでもちょっと言い過ぎじゃないか?と思いましたので人売りIT派遣企業(エンベデッドは社内開発でもやっていますが)で誇りを持って働いている私としてちょっと反論してみます。

立場が変われば意見も変わるのは当然なわけです。

特定派遣の廃止の背景

特定派遣が廃止になる背景として考えられるのは、ブローカーのような営業マンや、事務所がレンタルオフィスのような実体がないに等しい会社の排除が目的だと個人的に思っています。(数年前の保険業界がそうだったように)

要するに国は「一般派遣をとりなさい」ということを暗に言っています。

国策に売りなしなので、当社は2018年4月1日で一般派遣を取得します。

客先常駐は害悪ではない

なぜ客先常駐ということだけで害悪なんでしょうか?例えば、セキュリティ上、自治体の大きなお仕事は決められた場所の決められた端末で仕事をしないといけません。万が一自社に持ち帰ったとして市民の個人情報を漏洩してしまったらどう責任が取れますか?

自治体というのはそういうリスクマネジメントをしないといけない組織であって、仕事形態が常駐になってしまうのは仕方がないわけです。そしてこういう仕事に駆り出されるのが私たちのような中小零細企業になります。そして最後にお客さんに感謝されるわけなのですが、どう害悪なんでしょうか?私が働けば働くほど害悪なんでしょうか。。

会社の存在意義の一つは社会貢献だと思います。私はwin-winよりも、三方良しだと思っています。

もし仮に害悪である私たちの会社がなくなったらを想像してみてください。

誰が自治体の大規模システムを作るんでしょうか?公務員がエンジニアとして自治体内のリソースだけで開発するんでしょうか?それはどう考えても有り得ない話ですよね。

また、大手SIerが元請けとなって、その会社だけのリソースでまかなえますか?それも到底無理な非現実的な話なわけです。

昔からあるように隙間産業(ニッチ産業)なわけです。ニッチ産業として社会貢献しているわけです。自治体だけでなく国防・軍事関係のお仕事は外国企業にアウトソースするわけにはいかない事情があるので、これも我々が微力ながら携わったります。

ビジネスパートナー募集について

当社もビジネスパートナーを募集しています。土地柄によって商習慣というのがありますよね。当社は大阪を拠点としていますが、大阪には大阪の商習慣、京都には京都の商習慣があります。

大阪ではビジネスパートナーとは持ちつ持たれつの関係なので、会社を成り立たせていく以上共存関係にある会社さんとのお付き合いは必要なことだと思います。

社員数の割にオフィス規模が小さい

社員数に応じたオフィス規模でないといけない、という決まりはどこの会社にも法律にも就業規則にも憲法にもありません。一般派遣取得の要件ですらありません。

会計を勉強すればわかるレベルだと思いますが、固定費をケチることは全くもって悪いことではありません。むしろ健全な経営方針だと思います。そのケチった分を社員の給与に分配したり設備投資したりできるわけなので、人売りIT派遣企業の判断材料としては非常に乏しいと思います。さらに言えばIT企業のオフィスは奇麗でないといけないわけでもありません。バランスボールに座って仕事ができるように、ミカン箱の上でもそれこそ仕事なんてのはできます。

人売りIT派遣企業の素晴らしい点

私は大学を卒業してから某大手重工業で3年働いた後に当社に就職したわけですが、人売りIT派遣企業の良いと思えるところを生意気ながら述べてみたいと思います。

  1. 色んな企業に行ける
  2. 企業ごとの色んなアーキを学べる
  3. 色んなエンジニアさんと知り合える
  4. プロジェクト毎にメンバーが全く違うのでコミュニケーション能力が自然とつく
  5. 常に新鮮な気持ちで入れる
  6. フリーになりたくなったらいつでもなれる
  7. 全く違う技術領域のエンジニアさんにその領域について相談・質問できる

上記は私のような同じ会社にずっといたくない人にとってはすごいメリットだと思います。

なぜなら、これだけ色んな企業さんに行かせて頂いたにも関わらず、経歴書は1社(当社)のみな訳です。

私のような考え方は少ないでしょうが、人は十人十色なわけですから、私と同じような少数派の考えの人もいると思います。

何故きれいなオフィスでいつも同じメンバーでいつも同じ場所で仕事をしたいのか、飽き性の私にはさっぱり理解できません。

マージン抜かれる件

マージン抜かれるのは、商流がないのだから当然です。

自分で営業して直接取引すればよいです。取引は自由です。

ただこの商流が取れず、上位会社に借りるのであればマージンが抜かれるのは当たり前です。バックオフィスの事務作業も増えますし会社は慈善事業じゃありません。

2021/02/22追記

コロナの影響で10年かけてリモートをしようとしていたところが、たった1年強でSESもリモートが大半になりました。国策に売り無しというように、国がリモート推奨しているわけですから今後、客先常駐=SESという考えは間違いなくなくなります。

自社サ企業が良いと思う若い方が多いようですが、自社サ企業は保守がほとんどで新規開発は少ないはずです。どうやってスキルを磨くのでしょうか不思議で仕方ありません。

一部のテック系インフルエンサーの適当なtweetに騙されないことを切に願います。

人売りIT派遣企業(SES・客先常駐)はブラック企業ではない

コメント

  1. 通りすがりのSE より:

    でも、上流行程に携わるのは難しいのではないでしょうか?
    上流やプロジェクト管理は、やはりプライム企業が中心なので、SESやる企業も
    PMOを請け負うなど・・・。建築士みたいな有資格者が設計するというような
    業種ではないと・・・。

    その分自由度も高いのだと思うのですが・・・・。ただ、一般的にはSESのみをする企業は人売りするだけの無能な経営者も見受けれらます。そういう会社が多いから労働環境も悪く、印象が悪いんでしょうね。Sierも丸投げであほな奴もいますし・・・。

    微妙です。エンジニアが頑張るしかないと思います。

  2. 高橋 より:

    どうなんでしょう、私はPLなどもしたりしましたが、PGが好きなのでPGを希望しています。
    SEがPGにボコボコにされているPJを何度か見た事がありますし、、。^^;

    エンジニアは頑張るしかないと思います!

  3. うーん より:

    違法である偽装請負については触れないんですね

  4. 高橋 より:

    偽装請負についてです、どうぞ。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%BD%E8%A3%85%E8%AB%8B%E8%B2%A0

    しかしgmailのアカウントすごいですね!^^;
    u〇koって。。。
    2歳くらいの男の子が連呼するアカウントです。

  5. SESで働いています より:

    客先常駐や派遣のように一社ではなく様々な会社を転々としていくのがあっている人もいらっしゃるので
    自社開発と客先常駐どちらの働き方が自分にあっているかを考えて就職活動や転職活動に望まれるのが一番だと思います
    ただ、相手の方が自社開発企業の社長という立場でSESを批判する内容を投稿したからといって
    自社開発企業を暗に批判する表現が入った内容を会社のブログで掲載するのは…
    少し落ち着いた方が良いと思います…
    後「客先常駐を一概に害悪と決めつけられても、働いている実際のエンジニアがそう言わないと非常に説得力に欠けます。」という主張は解りますが
    この手の論争で出てくる客先常駐の欠点って内容って実際に客先常駐で働いている人が言っている事なのがやっかいですよね
    しっかりと社員を考えているSES会社と批判が当てはまらないSES会社があって
    真面目にやっているSES会社であってもSESというだけで批判されてしまうというのは悲しいものです

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