貯金は悪、借金は善
私の知り合いの社長に約7億円の借金をしている社長がいる。
彼はゴルフのスイングの練習しながら「ヒロ君、今、借金7億あるんだよね~」と言っていた。
人生詰んでるやん!と思うかもしれないが決してそうじゃない。
お金を返す能力のある人(会社)にだけ融資する
銀行の融資審査ってのは当たり前だがすごく厳しい。お金を返してくれる可能性の低い人には1円たりとも貸してくれない。しかし返済能力のある人(会社)にはジャブジャブ貸してくれるし「社長、その後お変わりないですか?」と都度都度電話してくる。これは「追加融資どうですか?」の営業電話である。
7億円の借入があるという事は、銀行からそれだけの信用がある事を意味する。利子付けて返済してくれる能力がある人(会社)だから銀行は貸すのである。預金者保護の観点から1ミリでもリスクがあれば貸してくれないのが現実だ。
リスクがある人に何故貸さないか
銀行がリスクがある人になぜ貸さないかはなんとなく理解できるが、ディスクロージャーを見ればよく理解できる。
https://www.mire.co.jp/mire.co.jp/wp-content/uploads/2020/07/963986e1c2bd9ad7d7389b720de64844.pdf
上のURLはミレ信用組合のディスクロージャーだが、当期純利益はたったの6億円である。
信用組合とかだと当期純利益はたったの6億円とかなのである。仮にA社に7億円のプロパーローンの融資をしていたとして、そのA社1社だけでも潰れてしまったら信用組合は一気に当期純利益がなくなってしまう。
金融機関の利益は想像よりもはるかに薄いのである。リスクなんてとれるわけがない。
実際返すのは利子だけ
借金することを極端に嫌う人が多いが経営者なら一度よく考えたほうが良い。借金すればできないことができるようになるし、毎月の返済額を見ると「ひぇー」と思ってしまうが、借りたお金を使っていなければその借入に対する利息分だけを身銭で支払っているに過ぎない。元本は借りた金で返しているだけだ。
借りた金を寝かせていてはあんまり意味がないので、じゃあ借りた金で設備投資をしようとする。その分の手元資金が消えてしまう。手元資金が減るので借金の返済が多く錯覚してしまう。
だけども仮に借金せずに自己資本で設備投資したとしても手元資本は絶対に減るし、設備投資に対するリスク率は自己資本でも他人資本でも変わらないはずだ。金に色なんてついてないし、利子も月額に換算すれば非常に少額だ。
借金はテコ
借金はテコだとよく言われるが、不可能を可能にするという点でその通りである。
自己資本が1000万円あるとする。1億円あれば確実に儲かる太陽光発電投資の話(売電価格1000円/kwh)があるとする。(実際はナイ)
自己資本1億円を作るのはいつ(何年後)になるのだろうか。銀行から9000万円の借入ができれば一瞬で確実に儲かるビジネスに投資することができる。
自分の能力では動かせないものを借金というテコで動かせるようにすることができる。
無借金経営は悪
「貯金は善、借金は悪」。サラリーマンにとってはそうなのかもしれないが、経営者にとっては全然当てはまらない。
自己資本だけで経営するとテコがないから企業の成長はどうしても遅れるし、無借金経営だったところで自己資本がショートすれば会社は潰れる。無借金経営に何のメリットがあるかよくわからない。
借金しておけば社長のマインドに「借りた金は返さなきゃ」っていう日本人特有のバイアスがかかるから借金しておいた方が良いし、億単位の借金なんて社長なんかでない限り経験できないのだから、是非経験しておいたほうが良い。経験(K)は無形財産である。
KKD経営がモットー。
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